薬剤耐性菌部門

抗生物質は各種感染症から多くの人命を救ってきましたが、現在、耐性菌の出現が医療現場での深刻な問題となっています。本部門は、難治性感染症の切り札的治療薬とされるカルバペネム系抗生物質に耐性を持つ腸内細菌科細菌菌(CRE)を中心に研究を進めています。

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌は、カルバペネム系抗生物質に耐性を示すに止まらず、その他の抗生物質の多くに耐性を示し、治療面で大きな困難をもたらしています。欧米諸国やアジアアフリカ諸国ではCREの分離率は増加しつつあり、日本でも警戒が必要です。当部門では、タイやミャンマーの中核病院の協力を得てCRE臨床分離株の収集を行い、耐性菌の動向を把握するとともに、CRE株のゲノム解析を行い、耐性遺伝子の同定、ゲノムの系統解析を実施しています。また、ゲノム解析と併せて、CRE分離株の薬剤感受性試験、クローン解析を行い、蓄積された情報を元に、CREの簡易検出法を開発すべく研究をおこなっています。得られたゲノムデータはデータベース化し、AMED/J-GRIDプロジェクトの成果として、他大学や国立感染症研究所のそれと共に集約され、データベース化される予定です。

  • タイの一病院より分離された44株のカルバペネム耐性肺炎桿菌Klebsiella pneumoniaeのパルスフィールドゲル電気泳動により系統学的解析を行うと分離株が大きく3つの遺伝子型に分類され、それらの保有するプラスミドはいくつかの異なるカルバペネム耐性遺伝子を含有することが明らかにされた。

研究グループ

特任教授 浜田 茂幸

論文

  • Fetal septic meningitis in child caused by Streptococcus suis serotype 24. Kerdsin, A., et al. Emerg. Infect. Dis.(2016) 22(8):1519-20.
  • Molecular and genomic characterization of pathogenic traits of group A Streptococcus pyogenes. Hamada S., et al. Proc. Jpn Acad. Sci.(2015) B91:539-59.
  • Characterization of 3 megabase-sized circular replicons from Vibrio cholerae.Okada K., et al. Emerg. Infect. Dis.(2015) 21(7):1262-3.